読めそうで読めない漢字 / 第29回
「依存」は「いそん」?「いぞん」?辞書の扱いも変わっている
「輸入に依存する」を「いぞんする」と読んだ後、「本当は、いそん?」と気になったことはないでしょうか。「いそん」と「いぞん」は、どちらも使われる読みです。 濁るかどうかで、頼って成り立つという意味が変わるわけではありません。
辞書も同じ順番で載せているわけではない
毎日新聞校閲センターの調査記事は、複数の辞書の扱いを比べています。「いそん」を中心に置く辞書がある一方、『三省堂国語辞典』第8版では「いぞん」を見出しにしたことが紹介されています。
この違いは、「辞書にあるかないか」だけでは捉えられません。どちらを中心に説明し、もう一方をどう添えるかにも、編集方針が表れます。
また、「いぞん」がごく最近現れた読みだという説明にも注意が必要です。同記事は、昭和初期の辞典にも濁った読みが見られることを確認しています。単純に、昔は全員が清音、今は濁音になったという一本道にはできません。
「存」の音読みは一つではない
「存在」は「そんざい」、「存分」は「ぞんぶん」。「存」には「そん」と「ぞん」の音があります。「依」はよりかかる意味を持ち、「依存」は他のものを頼りにして存在・成立することです。
この地域の交通は、一つの鉄道路線に大きく依存している。
これは交通の成り立ちを述べる文で、人の性格を批判したり、病名を述べたりするものではありません。「依存」という語を見ただけで、すべて悪い意味に取る必要もありません。
朗読なら原稿の指定を確認し、指定がなければ読みを統一して使えます。別の読みを聞いて戸惑ったら、意味の違いを探すより、同じ語に読みの幅があると考えると理解できます。
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