読めそうで読めない漢字 / 第30回
「出納」は「でのう」じゃない?お金の出入りを表す二文字
「現金出納帳」の読みは「げんきんすいとうちょう」です。金銭や物品の出し入れを表す「出納」は、主に「すいとう」と読みます。 「でのう」や「しゅっとう」ではありません。
なぜ「出」が「すい」、「納」が「とう」?
『デジタル大辞泉』では、「すい」は出す意味の字音の一つ、「とう」は「納」の慣用音と説明されています。「出発」の「しゅつ」、「納入」の「のう」だけから読むと、思い付かない組み合わせです。
ただし、同じ辞書には「しゅつのう」の項目もあり、「すいとう」と同じ意味が示されています。「出納にはすいとう以外の読みが一切ない」とするのも正確ではありません。「しゅつのう」は歴史上の役職名でも使われる読みです。
日常で見かける帳簿や担当者の名称なら、「出納帳」「出納係」を「すいとうちょう」「すいとうがかり」と覚えておくと使いやすくなります。
「出す」と「納める」の両方を含む
「出納」は、支払うことだけを指すのではありません。入ってくるものも、出ていくものも含みます。字を意味で分けると分かりやすい語です。
会費を受け取った日と、会場代を支払った日を出納帳に記録した。
入金と出金の両方を記録しているので、この例に「出納帳」が合います。利益の大小を述べているわけではなく、お金の出入りについての言葉です。
耳で聞いた「すいとう」は、飲み物を入れる「水筒」と同じ音です。「出納の記録」とだけ聞いて戸惑う相手には、「お金の出入りの記録」と言い換えれば意味が伝わります。読みにくい二文字ですが、中身は「出す・納める」という身近な行為の組み合わせです。
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