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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第33回

「伺います」と「参ります」は訪問先で選び分ける?

「明日、御社に伺います」も「明日、御社に参ります」も、訪問先に直接伝える言い方として使えます。ただし、敬意を示す相手の捉え方が違います。「伺う」は訪ねる相手を立て、「参る」は話を聞く相手に丁重に移動を伝えます。

訪問先へ直接話すならどちらも選べる

取引先に「明日10時に伺います」と言えば、訪問される相手を立てて伝えられます。「明日10時に参ります」は、聞き手に改まって述べる言い方です。相手本人に向けて話す場合、どちらも丁寧な訪問の連絡になります。

文化庁の「敬語おもしろ相談室」第六話では、「伺う」と「参る」の違いを、行為の向かう相手を立てるか、聞き手に丁重に述べるかという観点から説明しています。

日時と訪問者が分かる形で「10月8日午前10時に、担当の佐藤が伺います」と伝えれば、受け入れる側も予定を立てられます。

駅へ行くなら必ず「参る」なのか

「本日は新大阪駅まで参ります」のように、移動先を伝えるだけなら「参る」が使えます。駅という場所自体を敬うわけではありません。

ただ、駅で待つ取引先の担当者を迎えに行くなら、「駅まで伺います」も成り立ちます。訪ねる先に相手がいるからです。「会社なら伺う、駅なら参る」と地名や施設名だけで決めると、この違いが抜け落ちます。

迎えの予定なら、「15時に中央改札へお迎えに伺います」と、行く目的と場所を合わせて書けます。自分も電車で移動するだけなら、「15時ごろ駅に到着します」のほうが正確な場合もあります。

第三者への報告では誰を立てるかが変わる

恩師に会いに行く予定を別の人に伝えるとき、「先生の研究室に伺います」なら、訪問先の先生を立てます。「先生の研究室に参ります」は、その予定を聞き手に丁重に伝える形です。

この違いは、自分の家族などを訪ねる場合に表れます。取引先との会話で自分の弟のところへ行く事情を説明するなら、「弟のところへ参ります」とは言えますが、「弟のところへ伺います」では、弟を立てることになります。

訪問を知らせるメールでは、まず「誰が、誰のところへ行くのか」を確認します。訪ねる相手を立てたい場面なら「伺います」が合い、移動の予定を丁重に伝えるなら「参ります」が使えます。

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