正しい敬語 / 第41回
「ご自愛ください」はいやらしい意味?「自愛」と「自慰」の違い
「ご自愛ください」に、いやらしい意味はありません。「自愛」は「じあい」と読み、自分を大切にすること。手紙やメールの結びでは、「体を大切に、元気にお過ごしください」という気遣いを伝えます。
漢字が似て見える「自慰」とは、読みも意味も違う言葉です。
「自愛」「自慰」「慈愛」は別の言葉
| 言葉 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 自愛 | じあい | 自分を大切にすること。自分の健康を気遣うこと |
| 自慰 | じい | 自分で自分を慰めること。性的な意味でも使う |
| 慈愛 | じあい | 相手を慈しむ深い愛情 |
「自愛」と「自慰」は同音ですらありません。「自分を愛する」という説明だけを見て性的な意味を想像する必要はなく、「ご自愛ください」は相手の健康を思う挨拶として受け取って大丈夫です。
「慈愛」は「慈愛に満ちたまなざし」のように使います。「ご慈愛ください」と変換すると、健康を気遣う結びにはなりません。
「ご自愛ください」を自然に添える例文
季節や相手の近況に、短くつなげられます。
「朝晩は冷え込むようになりました。どうぞご自愛ください。」
「お忙しい日々かと存じます。くれぐれもご自愛ください。」
どちらも目上の相手に使える言い方です。毎回「ませ」まで足さなければ失礼、ということはありません。「どうぞ」「くれぐれも」を添えるだけでも、気持ちは伝わります。
「自愛」には健康を大切にする意味があるので、「お体をご自愛ください」より「ご自愛ください」とすっきり書けます。
相手が療養していると分かっているなら、「どうぞお大事になさってください」など、その状態に直接寄り添う言葉も選べます。挨拶を受け取った側は、「お気遣いありがとうございます」で自然に返せます。相手の一言を、難しく読みすぎなくてよいのです。
参考:Precious.jp
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