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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第5回

「ご了承ください」で同意をもらったことになる?

「開始時刻を15時に変更します。ご了承ください」と送っても、相手がその時間でよいと返答したことにはなりません。「ご了承ください」は受け入れてほしいという働きかけで、相手の賛成を確かめる返事ではないからです。

会場の都合などで決まった変更を知らせる文には使えます。一方、相手と相談して決める段階なら、「15時への変更は可能でしょうか」と尋ねる形が合います。

決まった条件を知らせる「ご了承ください」

定員に達し次第、受付を終了いたします。あらかじめご了承ください。

受付の条件を先に伝え、理解を求める案内です。小学館『デジタル大辞泉』は、「了承」を事情を踏まえて納得すること、承知することと説明しています。この案内で求めているのも、その条件を承知して申し込んでもらうことです。

「ご了承ください」だけでは、条件の内容は伝わりません。「一部変更になる場合があります」とだけ書くより、何が、どんなときに変わるのかを可能な限り示します。

屋外会場のため、雨天の場合は中止となります。開催の可否は当日8時にお知らせします。

このように必要な説明がそろっていれば、最後に「ご了承ください」を必ず足さなくても、案内は成立します。

日程変更の承諾を求めるなら尋ねる

先に約束した打合せ時刻を、こちらの都合で変えてほしい場面です。

こちらの都合で恐縮ですが、開始を14時から15時へ変更していただくことは可能でしょうか。

まだ合意していないので、「変更します」と言い切らず、対応できるか尋ねています。相手が難しいと答える可能性があれば、「難しい場合は別の日程を相談させてください」と続けられます。

「ご了承いただけますでしょうか」と尋ねる形にしても、何への了承かは必要です。日程だけなら「15時からでもご都合はよろしいでしょうか」の方が、返事の内容が具体的になります。

目上の人には使ってはいけない?

相手が上司かどうかだけで、一律に禁止する言葉ではありません。たとえば、会議室の利用条件を関係者全員に知らせる案内と、自分の希望で上司との約束を変更するメールでは、同じ「ご了承ください」でも役割が違います。

後者を一方的な通知にすると問題になるのは、敬語の長さより、まだ相談すべきことを決定事項として扱っている点です。「ご了承のほどお願い申し上げます」と長くしても、そこは変わりません。返答を受けてから決める用件なら、相手が可否を答えられる文にします。

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