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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第116回

「重ねて失礼いたします」はいつ使う?追加連絡と二度目のおわび

「重ねて失礼いたします」は、同じ相手へ続けて連絡するときに、再度やり取りをお願いすることへの配慮を表す前置きです。追加の質問や、送り忘れた資料の連絡などに使えます。

ただ、前置きだけでは何が増えたのか分かりません。新しい依頼なのか、前の内容の訂正なのかを、続く一文で明示することが大切です。

追加の質問なら増えた点を示す

重ねて失礼いたします。先ほどの会場予約に関連して、搬入時間を一点確認させてください。前日の午後に荷物を届けることは可能でしょうか。

連絡が続く理由と、追加した質問を示した例です。前のメール全体を言い換えて再送するより、増えた点だけが分かる方が読み手は確認しやすくなります。

件名を変える場合も、「追加確認:搬入時間について」のように新しい用件を示せます。本文の前置きと件名が同じ働きをするので、謝罪の語を何度も重ねる必要はありません。

いくつも聞き忘れたときは、その都度一件ずつ送るより、必要な点を確認してからまとめて聞けます。ただ、緊急の訂正を、質問を集めるために後回しにする必要はありません。

訂正なら前の案内の扱いを明確に

先ほどお送りした案内の開始時刻に誤りがありました。正しくは14時です。混乱を招き、申し訳ありません。前の案内は破棄いただき、添付の訂正版をご確認ください。

こちらの誤りを直す場合、「重ねて失礼いたします」だけではおわびの対象が伝わりません。何を訂正し、どちらの資料を使ってほしいかを示します。

「追記」と書くと、前の内容も有効なまま情報が増えたと読まれます。「訂正」は前の内容を直す連絡です。情報を足したのか、置き換えたのかを区別します。

全体を差し替える場合も、「変更は開始時刻のみです」と本当に確認できる範囲を添えると、読み手がどこを見直せばよいか分かります。

おわびを二度目に伝える「重ねて」

「重ねておわび申し上げます」は、既に述べたおわびを改めて伝える表現です。連続したメールへの前置きとは少し役割が異なります。

訂正が完了しました。ご迷惑をおかけしましたことを、重ねておわび申し上げます。

対応結果を伝えた後のおわびとして使えます。相手からさらに影響を指摘された場合は、同じ謝罪文を繰り返すより、新たに分かったことと対応を説明します。

「重ね重ね申し訳ありません」と、繰り返しておわびする表現もあります。日常的な追加質問まで重大な不手際のように扱うと、用件より謝罪が目立ちます。前置きの重さは、相手に生じた負担に合わせられます。

返事を待つ連絡と催促を混ぜない

前のメールの回答前に追加連絡する場合、同時に返してほしいのか、追加分だけ先に確認したいのかも示せます。

先ほどの質問と合わせて、ご回答いただけますと幸いです。回答の期限は、当初お伝えした金曜の正午から変更ありません。

期限が変わらないことを伝えた文です。前の質問に先に返事をもらったなら、「早速のお返事をありがとうございます。追加で伺った搬入時間についても、ご確認をお願いいたします」と残る質問を示せます。返ってきた答えを受け取り、まだ待っている点を分けることで、相手は返事をする範囲を判断できます。追加によって調査が増えるなら、同じ期限で可能かを確かめる必要があります。

「重ねて失礼します。ご返信をお願いします」とだけ送ると、追加なのか催促なのか分かりません。催促なら、何の返事を、いつまでに必要としているかを示します。前置きは連絡を和らげますが、必要な対応を読み取ってもらう代わりにはなりません。

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