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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第122回

「認識に相違ございません」は堅すぎる?合意した内容を伝える返事

「認識に相違ございません」は、「私も同じように理解しています」と伝える丁寧な表現です。内容の確認への返事に使えますが、少しかしこまった響きがあります。日常的な会話なら「はい、その内容で間違いありません」で十分な場合もあります。

気を付けたいのは、何について一致しているのかです。事情を理解したことと、提案に同意したことを同じ返事で済ませると、意図しない約束になることがあります。

日時や内容の確認に答える

はい、ご認識のとおりです。打ち合わせは10月15日、午後2時からの予定です。

相手が確認した日付が合っている場合の返事です。「認識に相違ございません」でも伝わりますが、日時を繰り返すと、どの点を確認したのかが残ります。変更が何度かあった予定では、最新版を共有する意味もあります。

ご提示の内容と、当方の認識に相違はございません。今回は本館2階の会場を使用します。

文章として改まった返事にしたいときは、このように使えます。「相違」は違いのことなので、二つの理解が一致している場面に合います。相手が疑問を尋ねただけで比較する理解がない場合は、質問への答えをそのまま書いたほうが読みやすくなります。

誰の認識かを付けずに使うこともありますが、複数人の意見が並ぶメールでは「私の認識も同じです」と主体を示すと混乱を防げます。

一部だけ違うなら、合っている点と分ける

開始時刻は午後2時で相違ございません。終了は午後4時ではなく、午後3時半を予定しております。

二点のうち一つが違う場合に、先に「相違ございません」とだけ答えるのは避けたいところです。その後の訂正を相手が見落とすと、全部合っていると受け取られかねません。

項目が多い場合は、「日時はご記載のとおりです。人数のみ、12名から10名へ変更をお願いいたします」と、変更点を見つけやすく書けます。全ての項目を長く繰り返す必要はありません。

相手の間違いとは限りません。こちらが変更を伝えていなかった場合は、「変更のご連絡が漏れており、申し訳ありません」と事情を添えます。認識の違いを示す言葉そのものより、どこで食い違ったのかを確かめることが大切です。

理解しただけで、承諾していないとき

ご提案の内容は理解いたしました。費用については確認が必要なため、承諾のお返事は明日までお待ちいただけますでしょうか。

相手の提案を正しく理解していても、それを受け入れるか決めていない場面があります。このとき「認識に相違ございません」だけで返すと、条件への同意まで済んだように読まれることがあります。

「内容を理解した」「事実が一致した」「条件に同意した」は、必要に応じて言い分けます。 特に金額、期限、作業範囲が含まれるやり取りでは、返事で何を確定するかを明らかにします。

まだ資料を読んでいないなら、「受領しました。確認のうえ、本日中にお返事いたします」と書けます。受け取った段階で内容の正しさまで保証する必要はありません。

堅くしすぎず、確認した内容を残す

親しい相手から「集合は駅前で合っていますか」と聞かれたら、「はい、駅前で合っています。当日はよろしくお願いします」で自然です。「相違ございません」が正しくても、会話の調子に合わせると返事がなじみます。

反対に、正式な議事録や確認書では、「記載内容に相違ありません」と簡潔に答える形が使いやすいでしょう。丁寧さを増すために「一切の相違は全くございません」と重ねる必要はありません。

自分で確かめられる範囲が限られているなら、「出席者と日時については、記載のとおりです」と対象を限定します。知らない点まで含めて断言せず、どこを確認した返事なのかを相手と共有できます。

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