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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第32回

「進捗」は「しんぽ」?「捗る」が読めると意味も分かる

「進捗を報告してください」の「進捗」は、「しんちょく」と読みます。「しんぽ」ではありません。 後ろの字をよく見ると、「歩」の左に手へんがあります。

「捗る」は何と読む?

「捗る」は「はかどる」。物事が順調に進むことです。「作業がはかどる」とは普段言っていても、漢字になると見慣れなく感じるかもしれません。

「進捗」も物事が進むことに関わり、「進捗状況」ならどこまで進んだかを表します。予定どおりか、遅れているかという情報も、その状況に含まれます。「はかどるという字だから、順調なときにしか進捗という語を使えない」とする必要はありません。

「進歩」は、技術や能力などが向上すること。「進捗」は作業などが先へ進むことです。原稿の入力が半分まで終わったなら進捗の話で、文章力が向上したなら進歩の話になります。

「進捗率50%」は何が半分?

全20件のうち10件の確認が終わりました。

これは件数を基準に半分が済んだ報告です。しかし、残った10件に難しい案件が集中しているなら、作業時間まで半分とは限りません。「進捗率」と数字だけを書いても、何を基準にした率なのかが必要です。

「進捗は順調です」という報告にも、もう少し具体性を加えられます。「本文の確認は終わりました。残りは図版3点で、明日確認します」とすれば、読み手は進んだ範囲を把握できます。

「進捗」は、「捗」を知らないと読みにくい語ですが、「はかどる」を結び付ければ意味をつかめます。報告で使うときも、難しい二文字を置くだけで詳しい説明になるわけではありません。「何が、どこまで」の内容を続けてこそ、相手の求める進捗が伝わります。

件数と工程で報告の見え方が変わる

「半分終わった」という報告でも、20件中10件なのか、原稿作成と確認の二工程のうち一工程なのかは分かりません。進捗を伝えるときは、何を全体として数えているかをそろえます。

20件中10件の確認を終えました。残りには再確認が必要なものが3件あり、明日までかかる見込みです。

原稿の作成は終え、現在は内容を確認しています。確認後に公開します。

前者は件数、後者は工程を基準にした報告です。「作成が完了した」を「記事が公開された」と読み替えないよう、どの段階かを明示しています。「進捗」という語を使わなくても、こうした情報があれば進み具合は伝わります。

「進捗がない」ときも伝えられることはある

相手の返事を待っていて作業が止まっている場合、「進捗はありません」だけでは、確認を忘れているのか、待つしかないのか分かりません。「担当者へ確認を依頼し、現在は回答待ちです。明日午前に再度連絡します」と書けば、完了した行動と次の行動を伝えられます。

ただし、単に連絡したことを大きな成果のように言い換える必要はありません。「本文の修正はまだ終わっていません」と未完の範囲も明らかにするほうが、受け手は予定を立てやすくなります。

「進捗を進める」は、進むという内容が重なって見える表現です。「作業を進める」「進捗を確認する」と、何をするのかに合わせて動詞を選べます。「進捗が遅れている」なら、予定に比べて作業の進みが遅いという意味で使えます。

「捗る」が「はかどる」と分かると字を覚えやすくなりますが、報告で肝心なのは順調さの印象ではありません。終えたこと、残っていること、次の予定を分けると、言葉の中身も明確になります。

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