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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第114回

「承りました」は聞いただけ?注文・伝言・相談を受けたときの返事

「承りました」は、注文や依頼、伝言などを受けたことを丁重に伝える返事です。「分かりました」より、内容を受け付けたという意味がはっきり出る場面があります。

ただし、相談を聞いただけなのか、依頼の実行まで引き受けたのかは、この言葉だけでは判断しきれません。相手が何を確定したと思うかを考え、引き受けた範囲を続けて示せます。

注文や予約には内容を添えて返す

10月15日、午後2時から、2名様のご予約を承りました。

何を受け付けたかが分かる返事です。日付、時刻、人数など、間違えると影響する点を復唱しています。

まだ空き状況を調べていないなら、「ご予約を承りました」と先に確定しないようにします。「ご希望は10月15日の午後2時ですね。空きを確認します」と、希望の受付と予約の成立を分けられます。

「承る」は、聞く、受ける、引き受けるなどの意味を持ちます。どの段階かは文脈によるので、言葉を丁寧にしただけで自動的に約束が成立するわけではありません。一方、客が確定の返事と受け取る場面では、その期待に合う内容を示す必要があります。

伝言は伝える相手と用件を確認する

佐藤宛ての伝言を承りました。明日の到着が30分遅れるとのこと、本人に伝えます。

伝言を聞いただけでなく、誰へ何を伝えるかを確認した例です。「承りました」とだけ答えるより、聞き違いがあれば相手が訂正できます。

折り返しが必要か分からない場合は、「折り返しのお電話は必要でしょうか」と尋ねられます。「佐藤から必ずすぐ電話します」と、本人の予定を知らずに約束することは避けます。

電話番号を聞いた場合は、「折り返し先は、ただ今伺った番号でよろしいでしょうか」と、伝言に含める連絡先も確かめられます。担当者へ用件だけを渡して連絡先が分からなくならないよう、相手の名前、伝える内容、必要な返事をひと続きで整理します。

急ぎの用件なら、「至急のご連絡として伝えます」と緊急性を伝達する約束はできます。ただ、それが本人の即時対応まで保証するわけではないことを、必要に応じて説明します。

「承知しました」との違いは何?

「承知しました」は、内容を理解したことや、了承したことを伝える返事です。「承りました」は、注文、依頼、意見などを受けたことに焦点を置きやすい表現です。

日程変更の件、承知しました。資料の記載も修正します。

ご意見は承りました。担当部署へ共有し、対応できる範囲を確認します。

一つ目は変更を理解して対応する返事、二つ目は意見を受け付けて確認へ進む返事です。受け付けたことと、要望どおりに実行すると約束することを分けて伝えます。

どちらを使っても、後ろに続く説明が曖昧なら行き違いは起こります。相手が待つ必要がある場合は、回答の時期や次の連絡を示せます。

引き受けられない依頼には結論を添える

「ご要望は承りました」とだけ返すと、実現してもらえると期待される場合があります。受け付けた上で対応できないなら、その結論を明確にします。

ご希望は承りましたが、現在、受付時間外のご予約はお受けしておりません。営業時間内でしたら、空き状況をご案内します。

希望を聞いたことと、対応条件を分けた文です。「承りました」を断りの代わりに使って相手に察してもらう必要はありません。

こちらが実行できる場合は、「印刷は50部で承りました。金曜の午前中にお渡しします」と、数と完了予定まで示せます。短い返事でも、相手が確認したい条件が入っていれば、形式的な敬語を重ねるより確かな応答になります。

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